自分ごときが図解の解説などおこがましいのですが、こんな風にやってみたという程度で読んでいただけたらと思います。
まず授業では情報Aの教科書を用いたのですが、ブログ上では著作権の問題がありそのままでアップすることはできません。そこで著作権の切れている夏目漱石の「坊っちゃん」の冒頭部分をパワーポイントを使って図解してみようと思います。
とても有名な文章です。
親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。と囃したからである。小使に負ぶさって帰って来た時、おやじが大きな眼をして二階ぐらいから飛び降りて腰を抜かす奴があるかと云ったから、この次は抜かさずに飛んで見せますと答えた。
この文章を図解していきます。
パワポにテキストとして貼り付けます。

続いて、テキストボックス全体を選択、「箇条書き」ボタンで箇条書きにし、意味の切れる要素ごとの箇条書きにします。

新しいスライドを作成します。そこに先ほど箇条書きにしたものを一項目ずつコピー&ペーストします。貼り付けると一つずつ独立したテキストボックスになりますのでその時「線の色」を付けておくと四角の枠が付きます。

大まかに構造を考えながら配置を考えます。

さらに配置を考えつつ、色を塗ります。これは視覚的に区別や強調を考えながら行います。また各テキストボックスのサイズ関係なども考えます。最初は少し小さめでやるほうが動かしやすいようです。

「図形の調整」−「オートシェイプの変更」を使って、関係性を示すためにテキストボックスの形を矢印にしたり、丸みを帯びた四角にしたりします。この時新たに→などの図形を加えてもいいと思います。

大きさを整えたり、対立関係やシンメトリーの関係などが分かる矢印を加えたり、括れるものは大きな枠で括ったりして完成させます。

最後にここまでの流れをアニメーションGIFにしてみました。したの画像をクリックして拡大表示させて見てください。

以上です。図解表現の授業では別な文章を元にこのようなことを行いました。
図解に関しては
図解でポン
のサイトが分かりやすいと思います。
大変勉強になりました。
図解についてはまだまだ僕も学ばなければならないと思っていますが、やってみると生徒が文章をどのように理解しているかがよく分かります。
つまり、ここで問われるのは文章を正しく理解して構造化できるか、ということであり、かなりの部分は「読解力」と言えます。
ひとつ注意がありまして、元になる文章はやはり構造化しやすいものを選ばないと苦労してしまいます。夏目漱石は分かり易い文章でしたが、マニュアルの一部のような説明的なものが構造化しやすいと思います。